ネットフリックスで配信されている様々なインド映画。
さて今回は、「信じる心、危機一髪!」。「PK」「OMG」に続き宗教をテーマにしたヒューマンコメディ映画です。
「宗教の映画よく観てるなー私」と思いましたが、インドではそういうテーマの映画が結構作られてるんですね。ネットフリックスで「おすすめコメディ」項目に入ってくるんでつい観ちゃうんです笑。
2015年公開製作された2時間7分の作品です。
では、あらすじ、感想など、書いていきたいと思います。
『信じる心、危機一髪!』インド映画ヒトコト感想&勝手におすすめ度
真の宗教は 思いやり なんだかんだと ボリウッド
「勝手におすすめ度」★★★☆☆(いいこと言ってます)
『信じる心、危機一髪!』インド映画監督&キャスト
監督
・ファワッド・カーン
キャスト
・パレッシュ・ラワル
・アンヌ・カプール
・アルカ・バドーラ・コウシャル
・ナセールディン・シャー
・アウリタ・ゴーシュ
・マノージ・ラグビール・シャルマ
・ルシータ・パーンディヤ
・ムリ・シャルマ
・ムケシュ・バット
「信じる心、危機一髪!」インド映画あらすじ結末
ヒンドゥー教徒のダランパルは、妻インドゥ、息子アミッド、娘アンタラとの4人暮らし。毎朝、昔のポップ歌手マンチャラが歌い踊るボリウッドの曲を聴きテンションをあげている。
息子のアミッドは、ニール教徒のニーレシュワルジの娘シュラッダーと付き合い結婚したいが、そのためには父親のダランパルにニール教になってもらわなくてはならない。そしてしぶしぶダランパル一家は車でニーラナンド僧院に出かけるが、出かけに隣家のムスリムのナワブ・メフムード・バハドルの1945年製ビンテージカーをこすってしまい、トラブルになる。
ニーラナンド僧院に着いたダランパルは、マッサージオイル販売やアーユルベーダ、不動産販売など僧院の多角的経営やアメリカなど国際的に展開している規模に驚く。そしてニーラナンド尊師がバイクに乗って派手な衣装、サングラス姿で登場すると、青い帽子に青い衣装の信者たちは大盛り上がりになった。そして信者の悩みにその場で答えると、歌とダンスが始まり、信者も歌って踊る、その様子にダランパルは戸惑う。
ダランパルの母が死んで、貸金庫の中身を確かめに銀行に行ったダランパルは、衝撃的な中身を目にする。貸金庫の中に入っていたのは、ダワンパルの養子縁組の証明書と、昔の親の写真だったのだ。ダワンパルはその証明書に書いてあったアーメンダーバド養護施設を検索し、密かに訪ねていく。そして50年前の古い記録を出してもらい、情報非公開と言われながらもなんとか奪い、自分の出自を調べる。その結果、衝撃的な事実を知ることになってしまう。実は、ダワンパルの親は、ヒンドゥー教徒ではなく、ミール・シャウカット・アリという名のムスリムだったのだ。
ダランパルは、生まれはムスリムなのにヒンドゥー教徒として50年育てられ、戒律も一切知らずに生きてきてしまったこと、自身の運命を嘆く。
そんな時、インド国内でテロが起きたニュースが流れる。妻は「テロの8割はムスリムの仕業だ」という。隣人のムスリムのメフムードから「テロが起こるとイスラムが責められる。なぜ生まれた瞬間から我々イスラムを嫌うんだ?」聞かれたダランパルは「自分もムスリムだ」と告白する。ダランパルの悩んでいる様子を見たメフムードは、彼を車に誘い、悩みを聞き、父親探しに協力することを申し出た。
息子のアシッドはシュラッダーと結婚したいので、ダランパルにニール教に入信してほしいと頼み、ダランパルの好きなポップ歌手マンチャラのレア映像を見せて機嫌をとろうとするが、その映像はダランパルの見たことのある映像だった。マンチャラが犯罪を犯したときの映像だったのだった。
メフムードから、ダランパルの父のことが知人のつてで分かったと連絡が来る。ダランパルの父親は、妻が死んで生活に困り、クウェートに出稼ぎに出たのだという。その際、親戚にダランパルを預けたのだが、親戚が扱いに困り、養護施設に預け、父親が帰国した4年後、慌てて引き取りに行ったところ、養子に出た後だったとのこと。その後父親は再婚もせず、老後は財産をすべて寄付して老人施設で暮らしているとわかった。ダランパルはその施設を訪ねるが、イスラムの司祭に「異教徒では、父親にショックを与えてしまうから会えない。改宗して、イスラム教を学び、ムスリムとしてあってほしい」と断られる。
ムスリムで弁護士でもあるメフムードは、その話を聞いて、「法的人道的に、息子は父親に会う権利がある」と憤慨するが、ダランパルは父親にショックを与えたくないとムスリムについて学ぶ決心をする。そして、メフムードにムスリムの帽子をもらい、写真を撮り、挨拶や言葉から学ぶようになる。
そこから、ダランパルの新しい生活が始まった。
昼間は、息子のためにニール教の司祭を招き、牛の尿を飲むなど無理やり勉強する。
深夜は、こっそりメフムードはの家に通い、ムスリムの所作を学ぶ。だんだんとごちゃごちゃになってきてしまった、ダランパルのは家族や周囲に不審がられ、怒って司祭を追い出してしまう。
このままでは、シュラッダーと結婚できなくなると思った息子は、ダランパルを無理やりニール教の寺院に行かせようとするが、ダランパルの父親の具合が悪くなったという連絡が入り、ダランパルは急遽イスラムのモスクに向かう。そして運悪くモスクから出てくるところを息子に見つかってしまう。
ダランパルはムスリムの勉強をしていたことをごまかすために、キリスト教の恰好をして、色々な宗教を学んでいるのだとごまかそうとするが、家族から精神を疑われ、妻からはメフムードとゲイの関係なのではないかと疑われる。ダランパルは1週間後の結婚25周年のために男の活力を増す薬をこっそり分けてもらいに通っていたのだと、ごまかす。
メフムードは、ムスリムとしての自信をつけてもらうために、イスラムの出産祝いの席に誘う。そこを無事に切り抜けたダランパルは、ついにイスラムの司祭の試験を受ける。が、失敗してしまい、メフムードとも喧嘩別れをしてしまう。
ダランパルがニール教の活動をしないので、シュレッダーは他の男性と結婚することになってしまい、アミッドはニール教の集会にダランパルを誘う。その集会は、ムスリムにニール教の帽子を燃やされ暴行を受けたことに対する抗議集会だった。その席でダランパルは、活躍しようと気勢を上げるが、その際ついニール教の青い帽子を脱いでしまい、その下にムスリムの白い帽子をかぶっていたのを見られてしまう。それをごまかすために、ムスリムの白い帽子を燃やすパフォーマンスをするダランパルだったが、その様子を動画に撮影され、拡散されてしまった。
そのパフォーマンスを気に入ったニーラナンド尊師がダランパルの家にやってきて、祝福を与え、アミッドとシュラッダーとの結婚を許すが、その直後、ムスリムの団体がやってきて、ダランパルの行為を非難する。ダランパルが行為を謝罪し、実は自分はムスリムだったとみんなの前で告白すると、家族や尊師一同は怒って家を出て行ってしまう。
意気消沈するダランパルに、裁判所からの召喚状が届く。メフムードが弁護士としてやってきて、ダランパルを擁護し、無事に切り抜け、ダランパルの父親とも会えることになった。慌てて父親に会いに行くダランパルだったが、ちょうど息を引き取ってしまった後だった。しかし、父親は、メフムードが撮影したムスリム姿のダランパルの写真を事前にみて安心して息を引き取ったのだった。
ダランパルは「宗教で何を自分は得たのか。家族は去り、父は死んだ。ニーラナンド尊師を破滅させてやる」とニール教の集会に乗り込む。「祈り方が違うだけで、神は同じ。宗教は引き裂くものではなく団結させるもの。尊師はシク教徒で昔のポップ歌手のマンチャラだ。マンチャラは性的暴行、密輸、マネーロンダリング、何でもやった犯罪者だ。逮捕され行方不明になっていた男だ。家族平和が宗教。真の宗教は思いやりだ」と演説し、ニーラナンド尊師を弾劾する。家族はダランパルの元に戻り、再び平和が訪れた。
「信じる心、危機一髪!」インド映画見どころ、感想、ネタバレあり!
「信じる心、危機一髪!」ド派手インチキ臭い尊師、なんかおすすめ
「インチキ臭い、ド派手なニーラナンド尊師、なんか既視感があるなー」と思って、つらつら考えていた私ですが、はた!と思いつきました。
樹木希林さんの夫、内田裕也さんです!
もし、日本でリメイクするなら(そんなことは絶対ないと思うけど)、ニーラナンド尊師は内田裕也さんしかいないと思います。歌が歌えて、ハイパーテンション高くて、派手でまさにぴったり(胡散臭いとは言えないですが。。。)。
でもまさか、冒頭のボリウッド映像、ダランパルはが気に入っていたマンチャラがニーラナンド尊師とはねー。
恐れ入りました。このつながりはおもしろかったです。
「信じる心、危機一髪!」「PK」、「OMG」と比べると
、ヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教、、、などなど宗教をテーマにした映画は、「PK」、「OMG」と観てきたんですが、これは二つに比べるととっても現実的な映画でした。
なんたって、「PK 」は宇宙人が出てくるし(というか宇宙人が主人公。ハチャメチャやん)、「OMG」はクリシュナ神が人間化して出てきちゃう(しかも超マッチョイケメン。きゃー)斬新さ。
それに比べると、内田裕也さんレベルのド派手尊師、人間ですから。
その意味では、インド国民も現実的にとらえて鑑賞できたのかな?とも思います。
内容は3つとも、「宗教対立に意味はないよ、神様は一つ」的なメッセージだったかな。
日本人的には、「え?こんな風に描いちゃって大丈夫なの???」と心配になるシーン多々ありますが、大丈夫だったのでしょうね、きっと。
「信じる心、危機一髪!」ムスリムの気持ち
ムスリムの気持ちがところどころに吐露されるシーンがあります。いい人代表、ムスリム弁護士のメフムードが「インド国内で少数派ムスリムの気持ちがわかるか。テロリスト扱いされ、仕事もない。自分は弁護士だから仕事はあるが」というシーン。
インドは貧富の差もカースト制もあって、差別が激しい国。
宗教対立も起こっていますね。宗教がらみの映画がよく作られるのも、融和したいのだろうなあと改めて思います。
「信じる心、危機一髪!」インド映画ネットフリックスで見逃しなし!!
「信じる心、危機一髪!」いかがでしょうか。なかなかおもしろい映画だったのですが、宗教のことはちょっと疎くて。。。歴史的、宗教的知識がある人はもっと楽しめるのだろうと思います。
ということで映画「信じる心、危機一髪!」、★★★3つとさせていただきます!