『あなたの名前を呼べたならSir』Amazonプライムインド映画おすすめあらすじ感想意味ネタバレ評価★4

インド映画

今回はAmazonプライム配信中のインド映画「あなたの名前を呼べたなら」。

「あなたの名前を呼べたなら」ってどういうこと?って思いますよね?

そう、主人公の女性は、「名前を呼べない」関係にあるんです。

切ないけど、前向きで「ああ見てよかった!」としみじみ思えるココロがあったかくなるきゅんとするストーリー。派手さはないけど、いい話。背景もわかるとよりきゅんとします。

では、あらすじ、感想など、ご参考までにどうぞー!



『あなたの名前を呼べたなら』インド映画ヒトコト感想&おすすめ評価

エンディングが秀逸 切なくて凛として素敵       

「勝手におすすめ度」★★★★☆(女性に観てもらいたいなー)


『あなたの名前を呼べたなら』インド映画監督&キャスト

監督

・ロヘナ・ゲラ

キャスト

・ラトナ     – ティロタマ・ショーム

・アシュヴィン  – ヴィヴェーク・ゴーンバル

・ラクシュミ   – ギータンジャリ・クルカルニー

・アシュヴィン父 – ラウル・ヴォラ

・アシュヴィン母 – ディヴィヤ・セト・シャー

・ヴィッキー   - チャンドラチュール・ラーイ

・ナンディタ   – ディルナーズ・イラニ

・チョディ    – バーギャシュリー・パンディト

・アンキタ    – アヌプリヤー・ゴーエンカー

・ラジュー    - アーカーシュ・シンハー

・サビナ     – ラシ・マル



「あなたの名前を呼べたなら」アマプラインド映画あらすじ結末(2018年製作/99分/インド・フランス合作)

里帰りしていたメイドのラトナは、急遽ムンバイに呼び戻される。建設会社社長の息子であるアシュヴィンの結婚が破談になってしまったためだった。理由は婚約者サビナが海外で浮気したため。もともとは新婚家庭で働くはずだったラトナだが、傷心のアシュヴィンの元で住み込みで働き始める。

アシュヴィンはアメリカで仕事をしていたが、兄が急逝したため、自分の夢を諦めてインドに帰国、父の事業を手伝うことになった。その時支えてくれたのだサビナだったが、束縛の激しい彼女とは心が通ってはいなかった。

ラトナは父にせかされて結婚し、4か月で夫に先立たれ、19歳で未亡人となっていた。未亡人となっては村では生きていけない。もともとファッションデザイナーになりたいという夢があったラトナは、将来は裁縫学校に通う妹と仕立て屋を始めたいという目標があった。

ラトナは、アシュヴィンに事情を話し、近所の仕立て屋に修行に出るが、使い走りばかりで何も教えてくれず辞めてしまう。その後、友人ラクシュミの伝でちゃんとした裁縫教室に通うようになる。その前向きで明るいラトナの姿を見て、アルヴィンは兄の死までは自分もアメリカでライター、作家になるという夢を抱いていたことを話す。

アシュヴィンは、友人から女性を紹介されるものの興味を示さず、女性に粗相をしたラトナをかばう。アシュヴィンはラトナにデザインの本をプレゼントし、ラトナはシャツを作りアシュヴィンにプレゼントする。

そんな時、ラトナの妹がムンバイの男性と結婚することになり、学校を中退すると連絡があった。妹には自分と同じ気持ちを経験してほしくないと学費を援助していたラトナだったが、妹にはそんな気持ちがなかったのだとショックを受ける。アルヴィンは式に向かったラトナの部屋に入り、用がないものの、ラトナに電話する。控えめながら自分の夢を諦めないラトナに徐々に惹かれていくアルヴィン。

アルヴィンは帰ってきたラトナにミシンをプレゼントする。

そして象祭りでマンションの前で楽しそうに踊るラトナを見たアルヴィンは、部屋に帰ると思わずキスしてしまう。

アルヴィンは友人のヴィッキーに身分違いを指摘され、ラトナはメイド仲間にからかわれる。

ラトナも自分を慕ってくれるものと思っているアルヴィンは「だんな様」ではなく「名前で呼んでほしい」というが、ラトナは「大奥様を悲しませたくない、情婦にはなりたくない」と家を出ていく決心をする。

アルヴィンは、ラトナとは一緒にならずNYに帰ることを父に告げる。

ある日、ラトナがファッションデザイナーのアンキタから連絡を受ける。それはデザイナーとして働かないかという誘いだった。

それがアルヴィンの紹介だと知ったラトナは、アルヴィンの下へ駆けつけるが、既にアルヴィンはアメリカに旅立った後だった。二人で過ごした屋上に行ったラトナに一本の電話がかかってくる。「ラトナ?」という声に「アルヴィン」と答えるラトナだった。



「あなたの名前を呼べたなら」アマプラインド映画見どころ、感想、一部ネタバレあり!

「あなたの名前を呼べたなら」インドの階級、セクシャリティ問題

他の映画でもたびたび繰り返し描かれているカースト制度について、荒ぶることなく静かに問いかけているのが、この作品。

廃止されたと言いながら人々の間で厳然と残るカースト階級、都会と農村、因習、男尊女卑、家父長制、未亡人の扱いなど、テーマは沢山。そんながんじがらめの中でも、自分を貶めることなく、逆らうわけでもなく、自分の道を切り開こう、自立していこうというラトナが凄く素敵なのです。一歩間違えば落ちちゃう罠。相手も自分も傷つき不幸になりかねない道を取らず、勇気をもって踏み出す姿が「ああ、切ない、でもえらい!」とつい声が出ました。

監督のロヘナ・ゲラは裕福なセレブ階級でアメリカに留学していたインテリ女性ですが、生まれ育ちからメイド層との関係に考えることがあったようで、それを映画で表現したいと思ったとのこと。以下引用です。

自分が愛そうと選んだ相手を人はどのように愛するのか、ということを考え始めていました。それから、ずっと私の頭から離れなかったインドの階級問題を、恋愛物語を通して探求できないか、と考えたのです。「自分の愛する人をどのようにして愛するのか」、また、「私たちは、どのようにして人を愛する許可を自分に与えるのか」ということを、この作品を通して問いたかった。決して説教臭くはなりたくなかったし、自分には答えがあってどう考えるべきか人に教えるような感じにもしたくなく、それに、彼女を「被害者」として描くことも絶対にしたくありませんでした。恋愛物語にすることで、平等と抑制からくる力を通して、階級間の隔たりを越えることができないというテーマを探ることができたのです。

こういった関係を公にするということは、不可能に近いことですから、もし、実際にこういったことがあったとしても、人々に知られないようにしているでしょう。未だに社会の厳しい制約が世の中を支配していますから。仮に、誰かがこういった関係を認めたとすれば、その人たちは完全に疎外されてしまうでしょうね。唯一の解決法は、国外へ逃れることだと思います。もし、それだけの経済力があれば、の話ですが。いったん国外に出てしまえば、単に文化や話す言語が異なる2人の男女に戻ることができます。二人ともインド人だとしても、文化が全く異なる環境で育っているということを忘れてはなりません。服の着方も、食事の仕方もまるで違います。そのような関係がうまくいくためには、自分たちの家族から離れなければならないと思います。

 

かっこいい監督だー!!現代であっても、恋愛感情だけでは結婚できない、結婚しても難しい問題があるんですね。

タイトルの「sir」の意味はご主人様。この題名もいいなあ。

インド人の結婚観は複雑なんだなとしみじみ思ったのが、このネットフリックスオリジナルのインドの恋愛リアリティ番組です。こちら大変面白かったのでよかったら是非見て見てくださいね。スーパー仲人のシマさんが大活躍する番組です。私結構この番組好きなんですけどねー↓

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「あなたの名前を呼べたなら」カラフルな布の世界が明るい未来を象徴的に

最初、「え?この人が主人公?ヒロイン?」と思っちゃったくらい笑顔がなくて地味に見えたラトナ。それがだんだん夢を王に従い、笑顔が出てきて、服もカラフルになってきたような。そして布を買いに市場に行くんだけど、それが彼女のウキウキした心の中を表しているようで、華やかなんです!

私は服を作る習慣はないけど、布やボタン、レース選ぶ過程も楽しいのでしょうね。自分の夢を形作る作業。中盤、自分が買ってきたものをベッドに並べている姿は、愛おしくなりました。

最後の最後、二人は結ばれることはなかったけど、二人で電話で名前を呼び合うシーン。

きゅんです。

きゅん以外の何物でもないー!なんてかわいい二人なんだー!!!

アメリカとインド、身分も違うし、名前呼び合うくらいで結ばれることは今後ないのかも。

それでも、お互い夢を追う者同士、リスペクトしてる感じが、いい。

身分は違うし、男と女だし、お金持ち度合いも全然違うけど。

ラトナがアルヴィンの名前を呼ぶことで「対等に生きる」という決心が感じられて、ラトナが自分を卑下することなく生きていけるという勇気が感じられて、そして何より封印していたアルヴィンへの気持ちをやっと出せるという溢れんばかりの気持ちが感じられて。

いいラストシーンだったなー。

途中のお互い壁越しに密かに心をはぐくみ合うお互いを思ってる感じも控えめで好きなシーン。

いいシーンだらけ。

ラトナを演じたは、ティロタマ・ショームは奨学金でNY大学で演劇を学び、その後保護施設などでセクシャリティ問題に従事したそうで、監督の気持ちがよくわかって演技できたんだな、と思います。素敵な女優さんですね。

男性の描き方も、乱暴じゃなくてよかったな。アメリカで教育を受けた、というのが背景にあるからか、アルヴィンが女性を尊重している描き方が好感持てました。いい男だわー。。内面のいい男は滲み出ますね、イケメン。




「あなたの名前を呼べたなら」インド映画Amazonプライムで見逃しなし!!

あなたの名前を呼べたなら」いかがでしょうか。

静かで勇気をもらえる素敵な映画です。公開当時、ものすごく話題になって、批評家の満足度がなんと88パーセントとか。私も★5にするかどうか迷いました(どんなエラそうな立場や。。。すみません)。カンヌなど世界各国受賞作、好きな人は絶対好き。ぜひお楽しみくださいね。

ということで「あなたの名前を呼べたなら」★★★★4つとさせていただきます!


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