『ムンバイ・ダイアリーズ』(Dhobi Ghat/Mumbai Diaries)は、キラン・ラオの監督デビュー作で、2011年に制作公開されたインド映画です。
派手なダンスも歌もなく、さざ波のようなゆるい起伏のあるストーリー。
100分と、インド映画としては短めの作品なので、観やすいと思います。
『ムンバイダイアリーズ』okome のヒトコト感想&勝手におすすめ度
淡々と アーミル・カーン 消化不良
「勝手におすすめ度」★★★☆☆
『ムンバイダイアリーズ』監督・脚本&キャスト
監督・脚本
キラン・ラオ
キャスト
・ムンナ – プラティーク・バッバル
・シャーイ – モニカ・ドグラ
・ヤスミン – クリッティ・マルホートラ
・アルン – アーミル・カーン
『ムンバイダイアリーズ』あらすじ
アメリカのニューヨークで投資銀行コンサルタントとして働いている女性シャイ(モニカ・ドーグラー)が、実家のあるインドのムンバイに一時帰国した。
絵画を収集する趣味のある母親を持つシャイは、芸術も好き。彼女は、友人のペシに誘われて、インド新進気鋭の画家として売り出し中のアルン(アーミル・カーン)の個展に行く。ワインをこぼしたことがきっかけで、アルンと意気投合したシャイは、彼の家に行き、一夜を共にする。
ロマンチックな気分で朝を迎えたシャイだが、反対に全くつれない態度をとるアルン。アルンは「ひとりが好き。人付き合いは苦手。女性誰とも付き合う気はない」と冷たく言い放つ。前夜のワインで服が汚れてしまったシャイは、傷つきながら、アルンのシャツを着て帰る。
アルンはその後、新しい広い家に引越しをしてしまう。
洗濯配達人のムンナ(プラティーク・バッバル)は、偶然、アルンの家とシャイの家を担当している。
ある日、洗濯物の配達に来たムンナは、ワインのシミをめぐってシャイの機嫌を損ねてしまうが、真摯に対応するうちに、シャイに気に入られる。
そしてムンナは、写真が趣味のシャイを、ムンバイの名所や彼の仕事場である洗濯場を案内することになったが、その代わり、シャイに一つのお願いをする。
それは、ボリウッド映画の俳優志望のムンナのポートフォリオを撮ること。
撮影をしながら一緒に行動するうち、美しく聡明なシャイにどんどん惹かれていくムンナだが、自分の貧しい立場が引け目となってその気持ちを表せない。
引っ越ししたアルンは、そのアパートメントに以前の家族が残していったクローゼットの引き出しを開ける。すると、そこに小さな缶が残されているのを見つける。そこに入っていたのは、指輪や「ヤスミン・ノール」と書かれたいくつかのビデオ、「会いたいよイムラン」と背後に書かれた写真の数々。
アパートメントの守衛に以前の住人について聞いてみるが、全く情報を得ることができないアルン。気になったアルンは、密かにそのビデオを観ることにした。
それは新婚でこのアパートメントに引っ越してきたヤスミン・ノール(クリティ・マルホートラー)という女性が自分を撮影した、故郷に住む弟イムランに向けたビデオレターだった。
新しい生活と希望に満ちた可愛いヤスミンの生き生きとした様子をみて、創作活動に身が入るアルンだったが。
その後、アルン、シャイ、ムンナ、ヤスミンのそれぞれの人生に、変化が訪れる。
『ムンバイダイアリーズ』見どころ、感想、ネタバレあり!
「ムンバイダイアリーズ」、静かに物語は進行していきます。
芸術家のアルンの生活、ハイソサエティーなシャイの生活、そして貧しく日々の生活を送るムンナ。そして新婚生活を送るヤスミン。
「ムンバイダイアリーズ」ちょっとストーカー?シャイ
シャイはアルンが好きなんだけど、プライドが邪魔してなのか、うまく気持ちを表せない。そこまではわかるんですが、アルンの新しい引越し先を突き止めて、そのアパートメントをのぞける父親の会社の工事現場まで行き、アルンの生活を盗撮するのは、いかがなものか。
ニューヨークの投資銀行でコンサルタントをしている優秀な女性の設定なのですけどね。
ちょっとストーカーっぽい?かなーと、その場面は、引きました。
「ムンバイダイアリーズ」イケメンシャイボーイ、ムンナ
ムンナの育ちは、シャイと対照的。夢を追いながら、マフィアが身近にいる日々の生活を必死に生きる姿は、インドの大多数の庶民の姿なんだろうなと思います。
いい人でイケメンなんだけど、自分の身分が引け目になって、好きな人に好きって言えないのは、切ないなあ。
芸能プロモーターに自分のポートフォリオ渡してましたが、その後どうなったかが描かれてなくて。
どうなったのでしょうね。それもちょっと見たかったな。
インドの洗濯場を観るのは初めてだったので、これは面白かったかも!
「ムンバイダイアリーズ」普通過ぎるアミールのアルン
アルンは、人付き合いが苦手な設定なんだけど、それは芸術家としての性格なのか、離婚したせいなのか。
海外に元妻や子どもがいるとのことだったのだけど、そのあたり中途半端な情報の出し方だったので、もう少し深堀してアルンのことを知りたかったな。
せっかくのアーミル・カーン、もっと使ってほしかったです。
「ムンバイダイアリーズ」謎な女、ヤスミン
そして、ヤスミン。謎の女。
最初の新婚ほやほやの、幸せいっぱいのスタートシーンから、だんだんと憂いが増していく表情。
彼女の生活にどんな変化があったのか、だんだん明らかになっていきますが、最後のシーンも、「え?これで終わり?どうなったの?」というお終わり方で。
なぜ、弟に送らずにビデオレターが密かに残されてしまったのか。
ビデオレターなら、まとめておかないで、一本ずつ、季節ごとに送るものではなったのか。
本当に弟だったのかなあ。
などなど。
ちょっと消化不良でした。
「ムンバイダイアリーズ」の原題の意味は?
「ムンバイダイアリーズ」原題の「Dhobi Ghat」は、洗濯場のこと。大都会ムンバイに貧民街に生きる、洗濯を生業とする青年が主人公の一人。
過去と現在、富裕層と貧民層の登場人物がが交錯しながら、紡がれる物語ですが、なんで、洗濯場なんでしょうね。
これが芸術というものなのでしょうか。
一般人にももう少しわかるような余韻が欲しかったですー。
最後に。「ムンバイダイアリーズ」ネットフリックスで見逃しなし!
「ムンバイ・ダイアリーズ」は、インド国内、海外でも賞にノミネートされるなど、一定の評価があった作品のようです。ただ、色々癖のある役をこなしてきたアーミル・カーンを観てきた身としては、ちょっと普通過ぎて。
話もまあま面白くて、「どうなるんだろう」と最後まで見てしまいましたが、「え?」という終わり方だったので、ちょっと残念。
「あれはどうなったの?」ということが多すぎて、一般ピープルの私としては消化不要気味だったので、私の「勝手におすすめ度」は★★★3つとさせていただきました!
好きな人は好きかもしれないので、よかったら観てみてくださいね!
※2020年12月、ネットフリックス配信が停止してしまいました。いい作品なので復活してほしいですね。今後の配信を待ちたいと思います。