ネットフリックスで配信されている様々なインド映画。
さて今回は、「1000ルピー札」。
2014年公開製作された89分の社会問題を扱うヒューマンドラマです。
途中主人公があまりに可哀想になりますが、最後に救いがあるといえばあるこの映画。
あらすじ、感想など、書いていきたいと思います。
では、どうぞー。
『1000ルピー札』okome のヒトコト感想&勝手におすすめ度
清貧な おばあちゃんに 幸あれ!
「勝手におすすめ度」★★★★☆(インド警察めー)
『1000ルピー札』監督&キャスト
監督
・シュリハリ・サテ
キャスト
・ウーシャ・ナイク
・デヴェンドラ・ガイクワッド
・プージャ・ナヤック
・サンディープ・パターク
「1000ルピー札」インド映画あらすじ結末
壊れたサンダルを自分で直すしてはく老女ブディ。若いころ夫を亡くし、農家だった息子ハマヌントは融資を断られ悲観して自殺、息子の家族は実家に帰ってしまい、雨漏りがする小さな家に独り暮らしをしている。
ブディは、2ルピー分のジャッガリーやミルクをつましく買っては、隣人の優しい男スダマと一緒にお茶をするのを楽しみ、スダマ家族とも仲良くつましく暮らしていた。ブディは普段は、家政婦をしてお金を稼ぎ、野良犬やありに施しをしていた。
そんなとき、選挙が行われることになり、ブディの住むプーランバリ村にアタムラオ議員が演説に来ることになった。「食事が出るからいこう」とスダマ家族に誘われ、演説会に向かうブディ。食事の後に、こっそり支援者たちに100ルピーを配るアタムラオ。スダマはアタムラオに「この人の息子は借金を苦にして自殺した。テレビにも出た可哀想な老女だ」とブディを紹介する。アタムラオは同情し、1000ルピー札を4枚、ブディに渡す。こっそりもらったはずだったが、村人はそのことを見逃さず、噂になる。
ブディは、せっかくもらった1000ルピーで買い物をすることを考えた。
「血のつながった息子は死んでしまったが、私にはもう一人息子がいる。それはスダマだ」と日ごろブディを気にかけてくれている隣人のスダマ一家にこの機会に恩返しをしたいと考えたブディ。
そして、ブディと付き添いのスダマは、バスに乗って少し離れたディグラス市場に出かける。まず、度が合わない眼鏡を買いに行き、1000ルピー札を差し出したブディだが、おつりがないといわれ、スダマが代金を払う。次の額縁屋で、息子の写真の額70ルピーを購入したが、やはりおつりがないと言われる。写真は預かっておくからお金を崩してきてほしいといわれる。3軒目のサリー屋で、スダマ一家の服760ルピーを購入しようとしたが、店の主人や店員に「パキスタンから流入している巧妙な偽札ではないか」と疑われる。正直に話しても受け入れられず、近くにいた警察官に通報されてしまう。
ディグラス警察署に連れて行かされたブディとスダマは、警察署長にアタムラオ議員から1000ルピーをもらったと正直に話すが、警察署長は偽札に違いないと言い張り、そのお金を自分のものにしようとする。ちょうどその時アタムラオの選挙カーが通り、ブディは身の潔白を訴えに道に出るが、警察官につかまってしまう。警察署長は、一計を案じ、アタムラオ議員のもとを訪れ、経緯を捏造し、賄賂2万5000ルピーをせしめることに成功する。警察署に戻った警察官たちは、スダマを暴行し、事態の隠ぺいをはかり、二人を警察署に一晩泊めることにしてしまう。
翌日ブディとスダマは1000ルピーだけを返してもらい、署長からバス代を恵まれるが、バス代は要らないとばかりに席をたつ。
帰りのバスに乗り込んだ二人に額縁屋の主人が気が付き、ブディの写真をもって駆けつけ「代金は次でいいから」という。微笑んだブディ。そしてブディは、帰りのバスから川に向かって1000ルピーを投げるのだった。
「1000ルピー札」インド映画見どころ、感想、ネタバレあり!
「1000ルピー札」ラッキー→アンラッキー(泣)
最初は、「つつましく清貧に生きているおばあちゃんへの神様の贈り物、よかったねー」とうほほえましい気持ちで観ていたのに、途中から「え?」という、過酷な展開。
貧しいものはあくまでも貧しくあれ的なインドの「常識」。
「犬やアリにも優しさを見せる、片隅で生きている老女に救いはないのかー!」と思いました。
とはいえ、スダマや額縁屋のおじさんのように優しい人たちもいるのが、ちょっと救い。
最後の最後、この事態のきっかけとなってしまった1000ルピーを川に喜捨するのは、正解!と納得しました。
足るを知る、ってことですよね。悲しいけど。
でもでも、サンダルや新しいサリー、ぜいたく品じゃなくて、ちょっとしたものは買わせてあげたかったなあ、、、と思いました。
「1000ルピー札」カーストや警察の腐敗
インド映画あるあるの政治家や警察の腐敗。きっとこれが日常なんでしょうね。
特に田舎の警察や政治家は、利権が絡みまくり、庶民に大いばりなんでしょうね。
田舎に行けば行くほど、カースト制度も根強く残っているだろうし、貧しい一般庶民は正義を訴えられない状態に置かれているんだろうなあ、と改めて思いました。
理不尽ですね。。。
「1000ルピー札」各国で受賞
実はこの映画、世界でかなり評価されているんです。インドばかりでなく、イタリアの映画祭ではなんと最優秀作品賞を含む、35もの賞を獲得した大変評判のいい映画だったんです。
短編だし、凄い有名俳優が出ているわけじゃないし、もの凄いアクションとかラブロマンスとかダンスもない、静かで起伏も少ないストーリーなのですが、社会問題の細かいところが丁寧に描かれていて、それがよかったのでしょうか。
「警察酷い」「政治家悪い」など声高に叫んでいないけど、庶民の悲哀や人間の優しさ、清貧の美徳がじわじわ感じられるストーリーです。
「1000ルピー札」インド映画ネットフリックスで見逃しなし!!
「1000ルピー札」いかがでしょうか。
私は実はこの朗助役の女性が気になっていて。老女、という設定なのですが、確かに更けている演技はしているのですが、顔立ちが凄く美しいんです。
「他にどんな映画に出ているのかな」「過去に有名な映画に出ているのかな」と要らべたのですがわかりませんでした。
清潔感漂う人柄をうまく演じている女優さんだなと思いました。
ということで映画「1000ルピー札」、★★★★4つとさせていただきます!