「うわ。。。めっちゃリアル」と思ったのが、今回の「パンジャブ・ハイ」。
ネットフリックスで配信されている様々なインド映画ですが、これは、うーん。。重たい。
麻薬を扱った重たいテーマだけど、豪華俳優陣をそろえ、検閲を押し通し、公開にこぎつけたスタッフの、並々ならぬ気持ちが込められたいい映画です。
2016年公開製作された148分の作品。
インド映画好き、社会問題に関心がある方にぜひ観ていただきたい。豪華俳優陣もおすすめ。
では、あらすじ、感想など、どうぞー。
『パンジャブ・ハイ』okome のヒトコト感想&勝手におすすめ度
アーリヤ、シャヒド 演技派俳優 見るべし! ですわ
「勝手におすすめ度」★★★★☆(シリアスな麻薬問題)
『パンジャブ・ハイ』監督&キャスト
監督
・アビシェーク・チョーベー
キャスト
・シャヒド・カプール
・カリーナ・カプール
・アーリヤー・バット
・ディルジット・ドゥサンジ
・サティーシュ・カウシク
・スヘイル・ナイヤール
・プラブジョット・シン
・ハルプリート・シン
・マーナヴ・ヴィジ
・タラン・バジャージ
『パンジャブ・ハイ』インド映画あらすじ結末
インドとパキスタンの国境に近いパンジャブ地域では、国境という地域特性から麻薬の取引が日常的に行われ、麻薬によって人生を左右されている人々がいる。
国境で、深夜パキスタンの若者がパックにした麻薬を投げ込み、後日回収する予定だったが、近くの農場に住む少女バウリアによって拾われてしまう。
インドではコカイン中毒のミュージシャン、トミー・シンが、ドラッグや暴力をテーマの楽曲で若者の支持を得ていた。トミーはプロデューサーのタヤジといとこのジャシたちと組んで音楽活動をしていた。が、トミーの薬物依存のため契約も打ち切られ、さらにトミーは警察に逮捕されてしまう。留置場でトミーは、自分の熱狂的な二人のファンと出会い、自分が彼らに与えた影響について深く反省する。
パンジャブで警官をしているサルタジは、先輩達が麻薬の密輸に関わっていることを知っているが、見て見ぬ振りをしていた。サルタジの弟バリはトミー・シンに憧れ、麻薬を常習するようになっていた。バリが薬の過剰摂取によって病院に運ばれ、女医のプリートの適切な治療によって一命を取り留める。自宅に戻ったバリはプリートの薦めにより、プリートが運営する薬物リハビリセンターに入院することとなった。
国境そばの農場で働くバウリアは、以前に拾ったパックの中身が麻薬であることに気付き、換金するために麻薬の売人と接触しようとする。しかし、以前に国境で投げ入れたパックを横取りされたことに売人達は気付き、バウリアを捉えようとする。売人達がバウリアを追い詰めた時、バウリアは井戸に向かって3キロの麻薬を捨てる。売人達はバウリアが麻薬を捨てたことに逆上し、彼女を自分たちのアジトに監禁し薬漬けにした上で、性的虐待を加え続けた。
トミー・シンは1週間の勾留の後、釈放される。タヤジからは、新曲を作ることとドラッグ反対ライブの開催を求められる。しかし新曲が作れないジレンマでトミーは自宅待機の身でありながら外出しようと警備員から銃を奪い、仲間達に銃を向ける。誤って引き金を引いてしまったトミーは、タヤジの耳を打ち抜いてしまう。
サルタジは、バリの一件で麻薬に敵視するようになる。プリートの助言を得ながらパンジャブでの麻薬製造の証拠を探し、世間に公表しようとする。サルタジは、いやがるプリートと一緒に夜の麻薬工場に侵入し、製薬会社からアヘンなど麻薬の原料が搬入される現場を撮影することに成功する。バイクで脱出するプリートとサルタジだったが、途中麻薬の注射を首に打たれたサルタジは意識を失う。
トミー・シンは釈放後初めてのコンサートを開き、歌の代わりに自分の人生をどう生きるかについてのスピーチを始める。歌を歌わないトミーに激怒した観客達は、ステージに上がりトミーを追いかけ、トミーはコンサート会場近くの廃墟に逃げ込む。そこで麻薬の売人のアジトから逃亡していたいたバウリアに出会う。バウリアは全国レベルのホッケー選抜選手だったが、父の死によってホッケーという夢を諦めて農場での生活をしていた。トミーはバウリアの話を聞き、好きになってしまうが、バウリアは麻薬の売人に見つかり連れ去られてしまう。
プリートとサルタジは、工場で撮影した写真から、パンジャブの麻薬問題の黒幕が製薬会社代表のビレンダー・シンであり、麻薬工場にアヘンを供給していることが分かった。さらに調査を進め、ビレンダーと政治家のブラーが親戚関係にあることを突き止める。証拠をつかんだサルタジだったが、告発しても握りつぶされてしまうと考え、二の足を踏む。プリートは近々選挙が行われるから、この証拠を選挙委員会に持ち込めば、情報をもみ消される事も無く、マスコミも黙っていないはずと考え、委員会に提出する。
トミーはバウリアを探しに仲間のもとからは離れたが、自分を探しているジャシに出会う。ジャシは、トミーのせいで自分の父が逮捕され、大勢の人に迷惑をかけていることを理解しないトミーに愛想をつかし立ち去る。
ある夜、バリがリハビリセンターから脱出しようと試みていた。プリートはバリを止めようとしたが、誤って彼女は刺殺される。現場にやってきたサルタジの上司ジュジャは、サルタジが自分たちの麻薬取引を告発したことを知り、サルタジに暴行を加え、プリートの遺体と一緒にある建物に運び込むのだった。そこはバウリアが監禁されている麻薬の売人のアジトだった。
翌朝ジャジが、サルタジになぜ麻薬問題について告発したのか理由を聞くと、「パンジャブのだめだ」という。ジャジはサルタジが偉そうなことをいうことを許せない。
そんなとき、トミーはバウリアのいるアジトにたどり着く。壁を乗り越え侵入するとジャジ達に銃を向けられ包囲される。サルタジは、トミーに気をとられているジャジに椅子で殴りかかり、ジャジから奪った銃でジャジと麻薬の売人全員を射殺し、バリを助け出したのだった。またトミーはバウリアと一緒にアジトから脱出するのだった。
テレビでは、プリートとサルタジが告発した資料から多くの疑惑が判明し、政治家のブラーにも捜査が及んでいる様子が映し出された。
麻薬の売人から解放されたバウリアは、トミーとその仲間達と一緒に海辺のリゾートでひとときの休息を楽しむのだった。
「パンジャブ・ハイ」インド映画見どころ、感想、ネタバレあり!
「パンジャブ・ハイ」「あくまでフィクションです。」
「あくまでフィクションです」と。なるほど。
映画のオープニングに「この映画に似たような状況があるかもしれませんが、あくまでフィクションです。」というテロップが流れて。でも限りなく事実に近い内容だということが想像できるこの映画。
実は、描かれてないだけで、もっともっと酷いことが行われているのかも。
他の映画で、「私はパンジャーブ人」「パンジャーブでは~」といったセリフが時々流れていて、結構お気楽な感じだったので、「ふんふん。インド人みんな自分の故郷や出自に誇りがあるのね」くらいにしか考えてなかったけど。
パンジャブが、こんなディープな場所だと、初めて知りました。
インドだけど、パキスタン、アフガニスタンと国境を接するインド北部のパンジャブは、
文化的にもイスラム圏で、貧しい地域なんだろうか。
タイもだけど、山間部の貧しい地域では、食べ物を栽培するよりも手っ取り早く大金を稼げる麻薬を栽培することが多いらしい。パンジャブも、昔から多くの麻薬が集まって、生活の糧であり、身近だからこそ、「若者の7割が麻薬などの中毒患者」と言われているらしいです。
この映画の公開に際して、インド映画検閲機関から89箇所の修正やカットを命じられたけど、が、プロデューサーのアヌラーグ・カシャプはこれをはねつけて、1か所のカットのみに応じたそう。
検閲機関にも政府にも、きっと麻薬関係の大物がかかわっているだろうに(あくまでもい日本の片隅に居る一般人の想像ですけどね)、「インドの社会的問題は世界の問題」とばかりに、ほぼ完成に近い形で公開にこぎつけたプロデューサーのアヌラーグ・カシャプや監督
アビシェーク・チョーベー、スタッフ、迫真の演技のシャヒド、アーリヤーに拍手を送りたいです!
インドの一地方に起こっている、麻薬蔓延、政治腐敗、麻薬に支配されている市民生活問題としてだけではなく、きちんと世界が目を向けるべきことを正面から描いているなと思いました。
「日本は平和~」と思っちゃいますが。
同じネットフリックスで山田孝之主演「全裸監督」を観て、「私がお気楽な生活を送っているとき、同じ東京でこんなことが起こっていたは。。。」と震撼した裏世界もありました。
シリアスな世界はどこにでもあるんですね。
映画では、最後のバウリアちゃんののんびりした姿が救いです。
「パンジャブ・ハイ」可愛いアーリヤー・バットが演技派な件
インドのボリウッド映画に出てくる女優は、「ぼん・きゅっ・ぼん」なダイナマイトボディに目鼻立ちくっきり超絶美人なイメージがありますですが、アーリヤーは、日本にもいそうな親しみやすい可愛らしさがある女優さん。
大柄なスター女優が多い中、「ちょっと小さい?」と思ったら、身長160センチメートルだそうで。
そりゃ親しみやすい。
小顔で子犬系、幼い顔立ちの女優さんですが、作品によって、ほんとにコロコロ印象が変わるんですよねー。私はシャー・ルク主演の「ディアライフ」が凄く好きなんですが、その時の現代的なしっかりした可愛い子のイメージが、この映画でいい意味に覆されました。
ダンスもすごくうまくて、これからも追っかけたい女優さん、と思いました。
私が大好きな映画「ディアライフ」あらすじ感想はこちら。
ボリウッド的ダンスはないけど、しみじみといい映画でした↓↓↓
「パンジャブ・ハイ」インド映画はネットフリックスで見逃しなし!!
「パンジャブ・ハイ」いかがでしょうか。
インドにはびこる麻薬と汚職や癒着問題というシリアスなテーマを正面から取り扱い、世界に問いかけたこの映画は、世に出したい映画だと思いました。
スター俳優を豪華に出演させたプロデューサーも辣腕。
ということで観た方がいいインド映画「パンジャブ・ハイ」、★★★★4つとさせていただきます!