ネットフリックスのインド映画『恐怖のアンソロジー』は、2020年に制作公開された144分の4つの短編が集まったアンソロジーです。
私は正直ホラー大っ嫌いで、「なんでわざわざお金払って、怖い嫌な思いしなきゃならないのか?」という人です。が、「慕情のアンソロジー」の監督4人の作品ということで、この映画結構好きだったので、観るしかあるまい!と観てみました。
恐怖って、一体なんでしょうね。
それでは作品紹介、いきますね。
『恐怖のアンソロジー』okome のヒトコト感想&勝手におすすめ度
恐怖なの? ブラックコメディ? インド版 世にも奇妙な物語
「勝手におすすめ度」★★★☆☆(世にも奇妙な物語?)
『恐怖のアンソロジー』ネットフリックス監督&キャスト
監督
・ゾーヤ・アクタル
・アヌラーグ・カシャップ
・カラン・ジョーハル
・ディブカール・バナルジー
キャスト
・ジャンヴィ・カプール
・ショービタ・ドゥーリパーラ
・スカント・ゴエル
・グルシャン・デーヴァイヤー
・ムルナル・タクール
・アビナッシュ・ティワリ
・ヴィジェイ・ヴァルマ
・サガル・アーヤ
・スレーカ・シークリー
・パヴェイル・グラティ
①「恐怖のアンソロジー」ゾーヤ・アクタル監督 あらすじ
看護師のサミーラは、同僚マムタの代理として、あるマンションの老人宅を訪問した。2年前倒れてから寝たきりになってしまい、認知症も患っている糖尿病患者の老女だった。マムタによると、2日間息子が滞在していたはずだという。時々意識が混濁し、同じことを繰り返すが、受け流してもよいという。
老女は「息子が来た」「息子が家に隠れている」「明日は息子の友人が遊びに来るから、カシミールピラフやプリンを作って」などと言い出すが、サミーラは聞いたふりをする。
サミーラは、老女が寝たきりなのをいいことに、老女のアクセサリーを物色したり、何度か人の気配がしたため怖くなり、不倫中の彼氏を老女の家に呼ぼうとする。
ある晩、老女が夜中に騒ぎ、「OPEN THE DOOR」と大声で叫ぶので、キッチンに行くと、老女が倒れていた。
警察の検視によると、死後2日とのこと。息子は用事があって来ていなかったとのことだった。
「恐怖のアンソロジー」感想、ネタバレあり!
終始暗い画面が続き、もっと電気付けなよ!と思っちゃったくらい笑。なにか気配がある様子にビビりまくり、「何が出てくるんだ?」とホラーが嫌いな私はびくびくしてましたが、なんてことはない、老女の死体が静かにあるだけ。
老女が孤児の看護師のサミーラに「生きていれば何でもできる」と諭してましたが、ホントにその通りよねーと思いました。死んでしまったおばあちゃんだからこその言葉の重みです。
②「恐怖のアンソロジー」アヌラーグ・カシャップ監督 あらすじ
病院で写真を撮る男性。カメラには何かが映っているらしい様子。
アンシュは学校帰りに自宅ではなく、ネハおばちゃんの家によるのがお約束。夜になると父親が迎えにくる。アンシュは父が来るまで、おやつを食べたり、お絵描きをしたり、大好きなネハおばちゃんと過ごすのを楽しみにしている。ネハは、天井裏に穴をあけて、天窓を開け、カラスの世話をしているらしい。奥の部屋には、たくさんの西洋人形が並び、ネハは子どもの世話をするように、人形にごはんをあげたり寝かせたりしている。
ある日、ネハが妊娠検査薬で調べてみると、陽性だった。お腹をにらみつけ、ネハの絵のお腹部分を黒く塗りつぶすアンシュ。とたんに苦しみだすネハ。
そして流産の夢。その後、赤ちゃんが生まれた夢。しかし赤ちゃんはカラスで自分もカラスになってしまう。昔、ネハは誤ってカラスの卵を落として割ってしまったことがあるらしい。ネハはカラス人間になり、本物のカラスのように、ミミズを食べ、生肉を食らっていた。そして人形をめでるネハ。
アンシュは、赤ちゃんが生まれなければ、自分のことをまた可愛がってくれると喜ぶのだった。
「恐怖のアンソロジー」感想、ネタバレあり!
子どものアンシュが、ネハの絵を描いてお腹の部分を黒く塗りつぶしてるのを観た時点で、「子どもがおなかの赤ちゃんに嫉妬してなんかやっちゃうんだなー」とは思いましたが、まさかのカラス人間。
うーん。
恐怖?ホラーなの?
生肉を貪り食うシーン、ミミズをちゅるちゅると食べるシーンは、「うええ」とは思いましたが、ホラーじゃないんですよねー。
「おおっ!そうきたのねー」と、笑っちゃいました。笑うとこ?
③「恐怖のアンソロジー」カラン・ジョーハル監督 あらすじ
電車が遅れ、リキシャも降ろされ、山の中を30分もさ迷い歩いている男。なかなか目当ての町に到着できないでいるところに、ヘルメットをかぶった奇妙な少年が現れた。「死にたくなければ明かりを消せ」「しゃべるな」「救助隊なの?チャーリーは?」と話す少年に戸惑う男。案内された家に行くと、中には少女が一人いた。ある日街から来た人が化け物ゾンビになり、町の人を次々に襲い、町の人はみんな死んでしまったという。実はゾンビは少女の父だったという。少女は、少年何か隠し事をしているようだと男にこっそり伝える。
翌朝、業を煮やした男が外に飛び出すと、目の前に広がっていたのは、荒廃した町とゾンビ化した町の人だった。似ぎこんだ場所は学校で、ゾンビ化した校長に襲われそうになる。その後少女の父だったという猛獣のようなゾンビが現れる。声を出したり動いたりして気配を作らなければ、目が悪いゾンビには存在を知られないようだったが、恐怖でお漏らしをしてしまった少女がゾンビに食われてしまう。少年は「ゾンビに襲われないコツは、死んだ人間を食べること」だという。襲われないために、少女の死体や血を体や顔に塗りたくり、町から逃げようとする二人。そして少年は少女の体の一部を少し食べている様子。
何とか歩き出した二人だったが、ゾンビに見つけられてしまい、逃げる中、男は落とし穴に落ちて気絶してしまう。
男が目を覚ますと、車に乗っていた。周りには、普通の人間たちががっちりと固めている。彼らは街から来たという。これは夢だったのか?と思う男だったが、町の荒廃や町にいたはずの彼の娘の様子ははぐらかされ、街の人間としてこれから共に生きよう、とささやかれるのだった。
「恐怖のアンソロジー」感想、ネタバレあり!
最初、どんな話なの?と思いましたが、ゾンビでした。
ただ、そのゾンビが、なぜか人間だけじゃないんです。キングオブゾンビが、猛獣なんです。
人間って猛獣ゾンビになっちゃうの?しかも娘食べちゃう?
街と町は違うの?
そもそもリキシャを下ろされてしまった、ということは、何らかのうわさがご近所にあるのよね?
などなど、よくわからない突っ込みどころ満載の映画です。
これもホラーじゃないような。コメディ?
④「恐怖のアンソロジー」ディブカール・バナルジー監督あらすじ
美しい娘シャンティは、お見合いで大金持ちの跡継ぎであるドゥルブと出会い、お互い気に入って結婚する。しかしドゥルブは奇妙なことに、毎日、20年前に死んだ祖母と会話をしている。ベッドルームにも挨拶に来る見えない祖母にいちいち対応している夫にうんざりするシャンティ。使用人に祖母の様子を聞いたところ、「ばあばは孫がすべて。階段から落ちて寝たきりになってしまったが、孫会いたさに、毎晩杖をついて頑張って孫の部屋に歩いて行った」という話を聞いて、シャンティは祖母の杖を隠してしまう。その晩は祖母は部屋には現れなかった。
翌朝、「祖母が部屋に来なかった」という話をドゥルブがするが、そ知らぬふりをするシャンティ。その直後、シャンティは腹痛で倒れてしまう。使用人が朝食に毒を混ぜたのだった。家族全員集まり、シャンティが苦しむ様子を見る。みんなグルだったのだ。シャンティが目を覚ますと、目の前に祖母がいた。祖母の部屋にはたくさんの人が。シャンティは死んで、祖母が見えるようになっていたのだった。
「恐怖のアンソロジー」感想、ネタバレあり!
「ばあば、いつ出てくるんだ?」とちょっとびくびくしてましたが、意外にアッサリ。20年間毎日出てくる強烈な自我の持ち主であるばあばに、杖を隠したくらいで対抗できると思う方が、間違ってますよね。しかもばあばは来ないけど、ばあばの部屋にドゥルブが行ったらばれちゃうのに。
ばあばの部屋に集合?していた人々は、みんな、ばあばの怒りに触れて殺されちゃった人々なんでしょうか。結構たくさんいましたよ。。。
恐るべし、ばあば。
4つの中では、これが一番、ホラーとしてまとまってたかも。
絵的にも綺麗で、美男美女でよかったですー。
インド映画「恐怖のアンソロジー」ネットフリックスで見逃しなし
「恐怖のアンソロジー」いかがでしょうか。
これはホラーというか、半分ブラックコメディとしてみればいいんじゃないか?と思ったりもします。
日本人とインド人では、恐怖、のとらえ方が違うんでしょうかねえ。。。。
私の頭の中では「ちゃんちゃんちゃららん、ちゃんちゃんちゃららん、たーららーたーららー♪」というタモリさんの「世にも奇妙な物語」の音楽がずっと流れていました。。
怖くはないけど、「慕情のアンソロジー」好きだったし、その監督作品だし、ネタとして楽しめたので笑、映画「恐怖のアンソロジー」、★★★3つとさせていただきます!