『ルーナのために』Netflixあらすじ感想ネタバレインド映画ドキュメンタリー!★3

ドキュメンタリー

「やるせないなあ」と思うと同時に子どもたちの笑顔の愛おしさを感じました、観終わった後。

ネットフリックスで配信されている様々なインド映画やドキュメンタリー。

今回は、インドの一人の少女とその家族の数年を追ったドキュメンタリー「ルーナのために」です。

2020年公開製作された41分の短い作品、内容はぎゅっとしてます。あらすじ、感想など、書いていきたいと思います。

では、どうぞー。


『ルーナのために』okome のヒトコト感想&勝手におすすめ度

 世界あちこちにいる 「ルーナ」が すこしでもこれから救われますように    

「勝手におすすめ度」★★★☆☆(ココロが痛い)

『ルーナのために』監督&キャスト

監督スタッフ

 ・Pavitra Chalam

 ・ Akshay Shankar


「ルーナのために」インドドキュメンタリーあらすじ

インド北東部トリプラ州のジラニア・コーラの貧しい農村。ここに水頭症の少女ルーナ・ベグムとその両親ファテマ・ベグム、アブドゥル・ラーマンの家族が暮らしていた。

アブドゥルはレンガ運びのその日暮らしの仕事、生活は貧しかった。が、ルーナを「ジヤンナット(天国)」と呼び、周囲の「施設に預けろ」というアドバイスにも首を振らず、大切に育てていた。

アブドゥルとファテマ夫婦は結婚して1年でルーナを授かった。生後すぐに脳に水が溜まる先天性水頭症と分かったが、トリプラ州の病院の設備では手術ができなかった。

そして、ルーナが1歳4か月になったころ、転機が訪れる。


「ルーナのために」インドドキュメンタリー感想、ネタバレあり!

「ルーナのために」水頭症、日本では1000人に3人

このネットフリックスの番組紹介で流れてきたとき、「え?」と衝撃を受けました。

水頭症、という言葉は知っていたし、テレビ番組でもちらっと見たことはあったかもしれない。でもこの小さな赤ちゃんのルーナの頭の大きさは想像を超えていて。「本当のことなの?」「なんでこんなに大きいの?」「ちゃんと生きていられるの?」と正視していいのか正直悩むほど、衝撃だった。

多分、この映像を見た人は、殆どそう思うのじゃないかな。

私は周りでその話は聞いたことがなかったけど、実は先天性水頭症は、日本では1000人に3人の割合で発症しているそう。

思ったより多いのです。ただきっと、医療が発達し保険制度が整備されている日本では、生後すぐに適切な処置がなされていて、こんなに大きくなるまで放置されることはないのでしょう。

水頭症は、1日に500ML生産される脳脊髄液の循環が悪くなったり、血管に適切に吸収されずに脳室に溜まっていってしまう症状で、生まれたばかりの赤ちゃんは頭蓋骨がまだくっついていないので、どんどん脳室が大きくなるのだそうです(私の理解)

ルーナは、インドに生まれたので、水頭症が進んでしまったのですね。世界の格差はこういうことなのだ、弱いもののところに、子どもに及ぶのだ、と改めて思います。

悲しいですね。

「ルーナのために」写真による拡散、援助、ルーナの手術

ルーナ1歳4か月の時、転機が訪れます。

それは田舎のレンガ工場の日常風景を撮影するために訪れた写真家アリンダム・デイとの出会いでした。トピックを求めていたアリンダムに寄せられた、村人の「宇宙人みたいな頭の大きな女の子がいる」という情報。そしてルーナの写真は、記事ともに世界中に拡散され、瞬く間に世界中から支援の手が差し伸べられます。その後デリーのフォルティスメモリアル病院の脳神経外科のサンディープ・バイシャ医師の診察を受けることが決まります。

北東部の田舎から、都会のデリーまでの道のりは大変なもの。家族も不安だったと思いますが、有名な医師に診察してもらえる!という喜びは何より代えがたいものだったろうなと思います。

そこでルーナの頭囲は94センチ、栄養失調の状態であることが確認され、すぐに1回目の手術が行われます。徐々に髄液を抜く手術を繰り返し、5回目の手術後には58.5センチまで頭囲が縮小。まだまだ水頭症は完治してないけれど、「いつかルーナと一緒に走り回りたい」という母親ファテマ、希望を抱きますよね!気持ちが痛いほどわかります。

2014年10月、ルーナ2歳半になったころには、会話や歩くことはできないけれど、表情が出てきて、手足を動かすことができるようになります。脳神経の圧迫が取れてきて、運動能力が徐々に発達してきたんですね。ただ少し動けるようになったため、ベッドから落ちてしまう事故が起こります。でも泣けない、痛いと言えないルーナ。気持ちを訴えることができないから、右往左往する両親や地元の医師たち。デリーの医師に大丈夫と言われるまでは不安だったでしょうね。

「ルーナのために」両親の葛藤

ルーナが3歳半になったころの2015年2月。両親の葛藤が現れ始めます。「まだ話さない、歩かない」とルーナにイライラする母親。「家族を捨てることはできない。独身は自由だ」と言い始める父親。先が見えない不安、どこまで続くんだろうというジレンマ。

そんな中、2016年2月、ルーナが4歳半になったとき、ルーナの弟アクタル・フセインが誕生します。本来だったらこの年にルーナの手術を再び行う予定でしたが、母は「怖い」と見送ります。

アクタルが生まれて忙しくなり、自分自身の体調も本調子じゃないのかな、と番組を見ながら思いました。ただこのときの手術延期が、ルーナの人生を変えていくことになってしまいます。。

「ルーナのために」家族や愛する人たちに見守られて

2017年5月ルーナ5歳半になり、やっと手術に踏み切る決心がつき、デリーのフォルティス・メモリアル病院に診察に行きますが、そこでルーナの水疱瘡が発覚し、手術1か月延期が余儀なくされてしまいます。

そしていよいよという時に、ルーナが突然呼吸困難になり、家族が見守る中、短い命を終えることになってしまうのでした。

その眠ったような表情が凄く可愛かったルーナ。泣き崩れる家族の姿に、「ルーナは本当に愛されていたんだなあ」と思いました。

翌年、インタビューに答えた母親のファテマは、「他の親にも自分のような思いをしてほしくない。よくルーナの夢を見る。凄く可愛い女の子で、どんな男の子も恋に落ちる。ルーナは笑っていた」と語っていて、気丈で優しいお母さんだったんだな、と改めて思いました。

ルーナは短い命だったけど、たくさんの人に大事にされて、愛された女の子だったろうと思います。

エンドロールに流れた数々の写真に、カメラマンや記者の人たち、病院関係者の人たちに囲まれて抱っこされ笑っているルーナの可愛い姿が映っていて、短い命だったけど、愛されていたことがルーナに伝わっていればいいなと思いました。


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「ルーナのために」いかがでしょうか。

2006年のマーチオブダイムズ報告書では、毎年790万人が重度の先天性異常で生まれてきており、その70パーセントが予防や障害の軽減ができていたはずだということです。

世界でも日本でも虐待のニュースは悲しいことによく聞きますが、その対策と同時に、少しでも軽減できる予防策を早急に取っていってほしいなあと思いました。

世界のこと、子どものことを考えてしまう作品、大事なこと。

世界中の子供たちが、安全に、幸せを感じながら、生きることができる世の中でありますように。

インドドキュメンタリー「ルーナのために」、★★★3つとさせていただきます。



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