インド映画「ライース」は、2017年に制作された犯罪ヒューマンドラマ、ピカレスクロマンな映画です。
ボリウッドらしく、歌とダンスもたっぷり、入ってます。
見どころ満載!では、どうぞー!
『ライース』okome のヒトコト感想&勝手におすすめ度
禁酒法 知恵と度胸で 男の筋道
「勝手におすすめ度」★★★☆☆
『ライース』監督・脚本&キャスト
「ライース」監督・脚本
・ラフール・ドラキア
「ライース」キャスト
・シャールク・カーン
・マーヒラー・カーン
・ナワーズッディーン・シッディーキー
・サニー・リーオーン
・アトゥル・クルカルニ
・ムハンマド・ズィーシャン・アユーブ
「ライース」あらすじ
禁酒法の制定されているグジャラート州ファテープラの住むライース(シャー・ルク・カーン)は、くず拾いを仕事にしている母と暮らしていた。黒板の字が読めず叱られ、視力が悪い事が解ったが、貧乏なために眼鏡を作ることができない。しかし人の好い眼科医が立て替えてくれて、無事に眼鏡を作ることができた。
ある日、ライースが密造酒を取り締まる警察を出し抜く手伝いをしたため、警察にその仕事を罵倒される。その時、母が「生きるためには、小さな仕事も尊い。だから商売で、誰も傷つけてはだめ」と言う。その言葉は、ライースにとって一生を決める言葉になった。
密造酒で死ぬことも多いことを知ったライースは、友達のサデックと一緒に、輸入酒を売る元締めジャイラのもとで働くことを決意する。禁止されている輸入酒の輸送に苦慮していたジャイラだったが、学校用のリュックに入れて運ぶことを思いついたライースたちを雇うことにした。ジャイラは「商売人の知恵と悪党の度胸がある」と言ってライースを褒める。
成長したライースは、ジャイラのもとで働くことに飽き足らず、独立を決意する。3日間で10万ルピーの金を用意すれば、許すといわれ、試行錯誤するうち、ムサというギャングの元締めと知り合い、金を融通してもらい、独立に成功する。
ライースは、仕事中に、アーシヤという娘と出会い、恋に落ち、後に結婚する。
ライースは、禁酒法で取り締まりが厳しい中、独自のルートで密輸入の仕事を始め、警察の目をかいくぐり、事業を拡大していた。密輸入業者から賄賂をもらい、なあなあで仕事をしている警察官ばかりの中、禁酒法を厳格に守ろうとする警察官アンバラル・マジュムダがいた。マジュムダは州の首相ガンディナガルや議員のパシャらに疎まれ、左遷させられる。
海運業者ダムラ・セスらと組み、順調に事業を行っていたライースだったが、ムハッラム祭で暗殺者に命を狙われる。その黒幕が、昔のボスであるジャイラだと知ったライースは、ジャイラ一一味のアジトに乗り込み、皆殺しにする。
あちこちに賄賂を贈っていたライースだったが、議員のパシャが酒反対運動をすることを知り、それを妨害するため酒瓶に火をつけて抵抗した。それが暴動に発展したため、ライースは逮捕されてしまう。逮捕されたライースは、それが州首相ガンディナガルとパシャの罠だったと知り、獄中から選挙に打って出て当選する。ライースは日ごろから、貧しいまちの人たちの仕事や生活を助けていたため、人望があったのだった。
議員となったライースは、貧しい人たちのために土地を購入、住宅や学校などいろいろな施設を建設し、恐れも飢えもないまちを作ろうと奔走する。
がその時、ヒンドゥー教とイスラム教の宗教間の争いで暴動がおこる。生活や仕事がストップしたため、食料をまちの人々に無償で与えお金が無くなっているところに、政治家の策略に巻き込まれ土地も失ってしまい、無一文になってしまう。
無一文になったライースはギャングのムサを訪ね、金(麻薬)を運ぶ仕事を得る。しかし本当の中身は爆薬だった。そしてその爆薬がグジャラート州のヒンドゥー教徒とイスラム教徒の抗争に使われ、多数の死者が出てしまったことを知ったライースは、ムサ一味を皆殺しにする。
妻アーシヤ、幼い息子フェザン、親友サデックを警察の人質に取られた事を知ったライースは、その場で殺されないようマスコミを引き連れて自首する。
幼いころの母の言葉、「生きるためには、小さな仕事も尊い。だから商売で、誰も傷つけてはだめ」という言葉を守れなかったことを公開するライース。
ライースは、マジュムダはじめ警察官たちに、署に連れていかれることも裁判にかけられることもなく、郊外に連れてこられ、道端で銃殺され、捨て置かれてしまうのだった。
「ライース」見どころ、感想、ネタバレあり!
「ライース」インドの禁酒法、これ現代の話
「ライース」は、1980~2000年代のインドのグジャラート州を舞台にした映画です。シャー・ルク・カーンが酒の密輸組織のボス、ライースを演じてるんですが、なんとグジャラート州、驚いたことに、今も酒の販売が禁止されているんだそうです。
インドの憲法では、はっきりと禁酒をうたってないそうですが、他の州でも禁酒が広がっているそうで、ホテルなど、一部許可された場所では飲酒できるようですが、日本人からしたら「いつの法律?」とびっくりですよね。
背景には宗教など複雑な事情があるみたいです。
インド旅行の際は、気を付けた方がよさそうですね。
「ライース」ここに注目!現代版鼠小僧×警察との知恵比べ
鼠小僧は庶民の義賊で、ライースは泥棒ではないのですが。貧しい庶民のために、仕事を作ってあげたり、食料を届けたり、というところは、私は似てるかな、と思いました。
密輸したお酒を運ぶため、生のトマトに注射器で注入したり(それを生のまま齧る男たち)、水に付けたり、牛乳瓶に入れたり。
いたちごっこというか、警察を次々と出し抜いて運ぶさまは、痛快です。犯罪なんですけどもね。まさに、知恵と度胸!
「ライース」皆殺ししすぎな気もしますが。。。
ライース、密輸入のお仕事をせっせと頑張るのは、偉いなー(でも犯罪)と思うのですが、前後見境なく、大暴れしすぎ。
最初に商売を始める時に、市場で、何の罪もない一般人を殴りとばし市場をめちゃめちゃにするのは、かなり迷惑。
自分の狙った暗殺者との戦いのシーンは、必見でほれぼれします!
が、そのあとのジャイラ皆殺しのシーンは、ちょっとやりすぎでは。。。。
最後のムサ皆殺しのシーンも、マシンガンで殺しすぎでは。。。
と思っちゃいました。
もともと悪い人ではないのかも?と思うんだけど、貧しい出自であるがゆえに、馬鹿にされたり、裏切られたりが許せない、という気持ちになっちゃうんでしょうか。
怒りのスイッチが入っちゃったときに、だれも止められないのは、怖いっす。
あとは、ライースが、ラストシーンで射殺されてしまうのは、なんとも言えないシーンでした。
警察が犯人を殺害してしまうのは、よくあることらしいです。護送中抵抗したため、やむを得ず射殺したという風にするとかしないとか。。。
インドは法治国家です。念のため。。。
最後に。ネットフリックスで見逃しなし!
「ライース」いかがでしょうか。
シャー・ルク・カーン主演というと、ラブコメディなミュージカルが多い印象があるんですが、ダンス封印したヒューマンなドラマやこの「ライース」のようなこてこての犯罪者(でも庶民の味方)な映画もあるんですよねー。
そしてこの映画は、禁酒法が施行されたインドのグジャラート州の話なんですが、いまだに禁酒法は生きているとのこと。
昔の話かと思ったのですが、びっくりでした
話は、山あり谷あり、ロマンスあり、アクションあり、ストーリーは起伏があってかなり面白かったです。
シャー・ルクさまの新たな魅力、って感じ。
でも、シャー・ルクさまは、明るいコメディタッチのラブロマンスも似合うからそっちもやっぱり見たいなあ。。
ということで、★★★3つとさせていただきます!