NETFLIX配信中のインド映画「ルストムの裁判」は、2016年公開のサスペンス映画です。実は、K.M. Nanavatiというインドの海軍将校が起こした実際の殺人事件が元になった映画なんです。
主演はイケオジな、アクシャイ・クマール。
最後まで観ると、主人公の見方が180度変わっちゃう映画だと思います。
私の解釈ですけどねー。どんな映画か気になりませんか?
ルストムは、単に誠実ないい人じゃないと思うんですよ。
ふふふ。気になりますよね。
あおれでは、あらすじ、感想、結末など書いていきますので、ご参考にしてみてくださいね!
『ルストムの裁判』okome のヒトコト感想&勝手におすすめ度
むしろ好き 計算されたしたたかさ 藪の中
「勝手におすすめ度」★★★★☆
『ルストムの裁判』監督&キャスト
監督
・ティーヌー・スレーシュ・デサーイー
キャスト
・アクシャイ・クマール
・イリヤーナー・デクルーズ
・イーシャー・グプター
・パワン・マルホートラ
・アルジャーン・バージワー
「ルストムの裁判」あらすじ結末
1959年、海上にいるインド海軍に指令本部より連絡があり、5月5日の入港予定が4月26日に変更になった。ボンベイの港に着くや否や、最愛の妻シンシア(イリヤーナー・デクルーズ)のプレゼント用の花を買う、海軍将校ルスタム・パーヴリー中佐(アクシャイ・クマール)。
しかし帰宅すると、妻の姿がない。メイドを問いただすと、シンシアは昨日の午後から出かけているという。部屋には「V]からの花束、クロゼットには「V]からのたくさんの手紙とプレゼントが隠されていた。「Ⅴ」が友人の大富豪ヴィグラム・マキ―ジャ(アルジュン・バージュワー)だと確信したルストムは、翌日、海軍の船に寄り、銃を借りだす。そして、ヴィグラムが社長を務めるインペリアルモーターズ社を訪れるが、まだ出社していなかったため、自宅を訪れる。その後、3発の銃声が家に鳴り響いた。
ルストムはボンベイの警察署に行き、捜査官ロボに自首する。
英雄ルストムが浮気した妻と関係を持った富豪のヴィクラムを殺害したというニュースは、トゥルース新聞社のエーリッチの知るところとなり、たちまち大ニュースとして世間を騒がせることになった。
ルストムと同じパーシー教徒(ゾロアスター教)であるエーリッチは、権力者であり富豪のヴィクラムやその姉プリティがシンド教であることを理由に、新しい弁護人を付けるようアドバイスしたりするが、ルストムはそれを拒否、自ら弁護人を務めるという。
エーリッチは新聞を使い世間を味方にし、陪審員裁判を有利にする作戦で、ルストムを応援しようとする。
海軍は、ルストムを海軍で保護し、海軍の裁判にかけようとするが、ルストムはそれを拒否、警察に拘下。留される。
そして裁判が始まると、ルストムは正当防衛による無罪を主張した。
裁判の裏では、ヴィクラムとの接点である海軍のカーマット少佐が、ルストムが隠し持っている重要な書類を探し出すよう、部下に命令を下していた。部下たちは、強盗を装い、シンシアが暮らす家に忍び込むが、何も見つけられない。怖くなったシンシアは、留置場にいるルストムに会いに行く。
ルストムは、シンシアから強盗の件とヴィクラムとの関係を打ち明けられると、密かにこれからのことを指示する。
ほどなくしてシンシアにもとに「重要な書類を持ってくれば100万ルピーやる」とカーマット少将から連絡が入った。シンシアは「本来ヴィクラムが受け取るはずだった5000万ルピーをスイス銀行に入金するなら」と答える。それはルストムの指示だった。
検察のカンガニ検事(サチン・ケーデーカル)は、これは妻の浮気相手を殺害するための計画殺人だと主張するが、ルスタムは、検察側が用意した証人である会社受付嬢や使用人の嘘を次々に論破していく。
エーリッチの新聞によるメディア戦略やルスタムの巧みな法廷戦略が功を奏し、世論はルスタム無罪を期待するようになる。
そんな時、犯行当日のルスタムの行動に疑問を持った捜査官のロボが、独自にデリーに飛び情報を得た。それは犯行直前にルスタムが語った犯行予告ともとれる電話のテープだった。
それが裁判で公開され、陪審員の間で有罪無罪が紛糾する。
電話のテープを公開したが、この事件にはもっと他に裏があるのではないか、と思い始めたロボ。
そして留置場を訪れたロボは、ルストムから驚くべき話を聞く。
それは、イギリスロンドンの海上母艦をめぐる大富豪ヴィクラムや海軍の汚職事件だった。インドのためを思い、上官に掛け合うものの、上官その人が汚職に関与しており、進言したルストムが左遷され、それを恨んだヴィクラムに何も知らないシンシアが復讐されたというもの。
国の保安のため、妻を守るためにしたことだ、と主張するルストム。
裁判の結果は、無罪。民衆に称えられるルストム。
その後、美しいカナダに、インドの海軍の記事を読むルストム夫妻の姿があった。
「ルストムの裁判」見どころ、感想、ネタバレあり!
「ルストムの裁判」私利私欲が絡み合う陰謀事件
単なる男女間の痴情のもつれ、英雄の海軍将校と大富豪のセンセーショナルな事件と思われた殺人事件でしたが、裏には国を揺るがす海軍上層部を巻きこんだ陰謀事件が隠されていました。
でも、一般庶民はつゆ知らず。
海軍上層部による足の引っ張り合い、騙し合いが描かれてますが、さらっと書かれてるけど、実際は、もっとドロドロした命が脅かされるようなものだったのでは。。。
ルストムがヴィグラムを殺さなければ、もしかしたらルストムが消されてしまうような事態だったのかも、なんて妄想してしまう私でした。でも大金が絡んでいたら、インドでは特に人の命なんて軽そう(妄想すみません)。
「ルストムの裁判」は「ミッション・マンガル」「パッドマン」のアクシャイ・クマール、この作品でも妻ラブ
「パッドマン」で、妻ラブにひたすら己の道を突き進んだアクシャイ・クマールですが、この作品でも、妻を責めることなく、妻を献身的に守る夫を演じます。
ずっと、真っ白な海軍の制服姿、スタイルいいし、かっこいいんですよね。
ただ、妻ラブなんですが、結局妻を人身御供的な立場にさせてしまったのは、まさか策略じゃあないよね。。。と思っちゃったりしました。
まさかね。
ちなみに、アクシャイさんの映画はこれらのおすすめです!↓
私の大好きな映画「パッドマン」はこちら。

この映画も面白かった!というかアクシャイさん、かっこよかったですー!

2021年1月公開予定の「ミッションマンガル」も楽しみです。

「ルストムの裁判」芥川龍之介の「藪の中」的な。
立場や見方によって、次々に変わるルストムの姿。
新聞社は新聞が売れるよう、センセーショナルな記事、ヒーローを求めてる。
庶民も妻を寝取った大富豪を殺し、復讐したルストムをヒーロー扱い。
真実はなんなのか。
死んじゃったヴィクラムは、死人に口なし、何も語れない。
そのとき本当は何があったのか、誰も知る由がない。
結局、自分が見たいもの、信じたいものしか見ないわけです。
映画の結論を知ってしまうと、「あ、あれって、裏ではこんな意味だったのか!」という数々があります。
・二日間、ヴィグラムの家に外泊して帰った妻のおでこが赤い。
・ボンベイ警察への自首
・海軍の保護を拒み、警察署での拘留を選択
・犯行当日の銃借りだし
・犯行当日のバクシへの確認電話
・犯行当日のヴィグラム訪問時間
・この時代最後の陪審員裁判
他にもあるかも?
チェックすると、新たな発見があるかも。
「ルストムの裁判」インドの強盗ってそんなもの?え?網タイツ?
ルスコムの家に、カーマット少将がひそかに送り込んだ強盗が押し入るシーンがあるんですが。
これが笑っちゃう。
強盗がサングラスやマスク、帽子などで顔を隠し、見られないようにする策は定番だと思うんですが、見られないように、が前提ですよね?
ところがこの強盗たちは、やたらと目の粗いゆるゆるストッキングをかぶって押し入るんです。ただ顔に格子の線が入っているだけの男たちなで、後から「どんな顔?」と聞かれたら、すぐにわかっちゃいそうなやつ。
妻のシンシアと鉢合わせするんですが、別に乱暴もせず、部屋荒らしておわりだったので、よかったですねー。でも警察に届けないのだわ。よいのかな。
「ルストムの裁判」事件に関わる全ての人が、ルスコムの駒?
最後まで見ると、妻や警部はじめ、事件に関わった人すべて、1年以上前からルスコムの周到に計算された盤上の駒だったのでは?と思う。
なんたって、ゲットしたの、5000万ルピーですよ。100万も200万も要らねーや!と言うだけでいいのに、ちゃっかり5000万もらっちゃってます。
そして海軍を辞めて、どうもカナダに移住したらしい姿。
単に正義の味方だとするなら、そんなことはしないはずですよね。
爽やかな正義を貫いた物語なんて単純なもんじゃない。
これは、汚職事件を告発する体で、邪魔者を消して、密かにその蜜を奪ったしたたかな男の物語、なのではないかなーと、私は思いました。
ルストム、いたいけな美人妻を人身御供に、そちも悪よのう。。。(とまた勝手に妄想ばく進中)
最後に。「ルストムの裁判」ネットフリックスでお見逃しなく!
「ルストムの裁判」いかがでしょうか。
前半、主人公のルストムと妻シンシアのロマンスが描かれていたり、ゆるゆると進んでいますが、後半から「え?どういうこと?」「なんだとー!」「え?結局つまり。。。」な怒涛の展開になります。
果たしてその海軍将校は、愛国者なのか、犯罪者なのか、もしくは裏切者なのか。
現役将校が、有罪になり実刑を受けるのか、もしくは正当防衛で無罪になるのか。
最後まで見て、私は「これって芥川の藪の中、みたいな要素があるじゃん」と思ったのですが、他の人はどう思ったかな。
歌もダンスも殆どないですが、ストーリーはわかりやすいし、起伏もあるし、どんでん返し的な謎解き要素もあるし、なかなか楽しんで見れました。
ということで、観ていただきたい映画、★★★★4つとさせていただきます!